退職理由の例文集。理由別に退職理由の伝え方がわかります!
転職活動が成功するかどうかの重要なポイントのひとつに、「いかに企業が納得する退職理由を伝えられるかどうか」が挙げられます。企業は社員に対して長期に渡って活躍してほしいと希望していますし、すぐに辞める人は採用しません。
いくらスキルが応募要件と合致している人でも定着しないという印象を持たれると選考が通過することがありません。特に転職を何回か経験している人にとってはとても重要な選考ポイントとなります。
退職理由がたとえネガティブな理由でも選考では「退職もやむを得ないと企業に納得してもらう」「前向きな理由という印象を持ってもらう」でないといけません。
ここでは、退職理由をいかにうまく伝えるか、いくつかのパターンの退職理由を紹介します。様々なパターンがありますがいずれも「結論を述べてその後理由を説明する」ことを意識してください。
給与の不満が退職理由の場合
給与面に不満を持って退職したい、という方は多いでしょう。お金は働く上で大切ですが、単に「お金が欲しい」と思わせるのは選考ではマイナスになることもあります。
給与が上がる、ということは
- 「給与に反映する評価制度があること」
- 「ポジションが上がって役職給が上がること」
が大きな要素ではないでしょうか。
この二つの要因を理由に出せば選考の印象は悪くなりませんし同時に高いモチベーションを持っていることをアピールできます。
給与が上がらない=評価制度に問題がある、に置き換えた退職理由例
「現職の評価制度が自身の志向と合わないと感じたためです。現職は堅実な社風ですが、反面新しい取り組みを行うことに消極的です。実績を残しても評価に反映されない人事制度です。この数年間の給与状況も正直厳しいと考えております。
自身としては業績が正当に評価される組織でもっとアグレッシブに業務に取り組みたいと考えています。」
給与が上がらない=昇進出来ない環境だから、に置き換えた退職理由例
「現職の組織体制に疑問を持ったためです。現職は定着率が高く落ち着いた社風の企業です。反面、年功序列でありマネジメントのポストは在籍年数の長い方から順番に就く組織のため、実績を上げても近い将来の昇進が見込めません。
入社年度関係なく正当に評価される環境を希望し転職活動を行っております。」
サービス残業や休日出勤が退職理由の場合
拘束時間が長いことに不満を感じている方は、退職理由の伝え方が悪いと「ダラダラ仕事をしている」「単に残業が嫌なのか」という印象を受けるので注意してください。
勤務状況の説明を丁寧に行う必要があります。下記の例文はいずれも「退職を考えるのも仕方がない」と感じる内容になっていることが理解いただけるでしょう。
効率の悪い企業で改善努力をしても難しい状況であることを説明した退職理由例
「効率的に業務を行う企業への勤務を希望しているためです。私は常に効率よく業務を完了できるように組んでおりましたが、現職は従来からのやり方に固執する社風で、新しい取り組みや改善提案も受け入れられない状況でした。
常に改善や新しい試みに取り組む環境に貢献したいと考えております。」
永続的に残業が多い企業であることを説明した退職理由例
「恒常的に長時間の残業がある現職に不安を感じたからです。現職の業務にはやりがいを感じておりますが、現在残業時間が毎月100時間を越えています。これは私だけではなく全社的に同様の状況であり、上司はさらに多くの残業や休日出勤を行っております。
現在は体力も問題ないのですが、この状況が続くと将来的に不安を感じております。」
スキルアップ、キャリアアップが退職理由の場合
スキルアップやキャリアアップといった退職理由は、向上心があり、モチベーションが高いと評価される反面、伝え方に注意しないを自己中心的に思われてしまいます。
現職ではどうしても成長することが難しい、ということを理解してもらえるように伝えなければいけません。
会社を取り巻く環境が原因で成長できないという退職理由例
「今まで培ってきた知識や経験をもっと大きなフィールドで試し、自身の成長を促し企業に貢献したいと考えているからです。
今まで様々な経験を積みかつ実績も残してきましたが、現職では限られたマーケットで、取引先を拡大しようという方針もありません。これ以上の自分自身の成長が難しいと感じています。」
会社内の環境が原因で成長できないという退職理由例
「自らの知識や経験を活かせ、なおかつ貢献できる環境にチャレンジしたいからです。積極的に資格取得に講習会に参加していますが現職の環境では活かすことができず、また新たな技術を得ることが難しい状況です。」
不本意な異動が退職理由の場合
不本意な異動で希望以外の業務に就いたため退職を考える、という話はよく聞きます。しかし、注意しないと「嫌な業務を押し付けると辞めてしまうのか?」と思われてしまうかもしれません。
あくまでも「得意分野で会社に貢献したい」と印象づけなければいけません。
得意分野を活かし貢献したい、という退職理由例
「今まで実績を残してきた営業職で会社に貢献したいためです。新卒で就職して以来一貫して営業に従事してきました。4月から異動になり経理の業務に就いております。
経理の業務も会社にとっては非常に重要であることは理解していますが、やはり自分としては営業が向いておりますし実力が発揮できます。」
新しいことにチャレンジしたいという退職理由の場合
キャリアチェンジは退職理由として理解できますが、転職先にとっては未経験採用になることを忘れてはいけません。「企業にどう貢献出来るか?」をアピールしましょう。
業界や業種を変える転職、職種を変える転職、それぞれのパターンの退職理由例を紹介します。
業種や業界を変えたい、という退職理由例
「メーカーでの営業にチャレンジしたいからです。今まで商社の営業として勤務してきました。様々なメーカーの商品を取り扱っておりましたが、自社の製品に対して愛着を持って営業したいと考えるようになりました。
メーカーの勤務経験はありませんが、今までの経験やネットワークは必ず活かすことができます。」
職種を変えたい、という退職理由例
「コンサルタントとして新たなチャレンジをしたいからです。現在、経理職として勤務しておりますが、中小企業診断士の試験に合格しました。経理としての企業の経営管理の経験と取得した資格を活かし、企業経営の運営サポートを行いたい、と考えております。」
転勤が多いことが退職理由の場合
転勤を避けたいという方は多いでしょう。転勤を退職する場合やむを得ない事情であれば率直に伝えても問題ありません。もし純粋に転職したくない、という場合はいかに現在の勤務地で企業に貢献できるかをアピールする必要があります。
やむを得ない理由(家族環境など)で転勤を避けたいという退職理由例
「転勤がない企業での勤務を希望しているからです。現職は数年ごとに転勤しなければいけません。独身の時は転勤は問題なかったのですが、昨年結婚し来年子どもができる予定です。
家族と落ち着いた環境で生活し、腰を据えて業務に取り組みたいと考えています」
転勤しないほうが企業に貢献出来る、という退職理由例
「現在勤務しているこの場所で今後もキャリアを積んでいきたいと考えているためです。転勤の打診がありましたが、今まで長らくこのマーケットで経験を積んでおり、多くのネットワークを持ち実績も残しています。
慣れ親しんだマーケットでネットワークも持ってますので御社に必ず貢献できます。」
人間関係が転職理由の場合
人間関係に悩んで退職したい、という方は多く、特にメンバーが限られた職場環境ではこの理由をよく聞きます。人間関係の悩みは毎日のことなので退職理由としてはやむをえませんが、ネガティブな理由であることは事実です。あまりにも前面に出てしまうと悪口となり印象が悪くなります。
職場環境にすり替えることが必要となります。
上司との相性が悪い=社風が合わない、に置き換えた退職理由例
「現在の環境が落ち着いて業務に取り組めない環境だからです。現在勤務中の部署は定着率がく、建設的な仕事ができません。
また方針も行き当たりばったりで中長期的な計画も立てられない状況です。じっくりと業務に取り組める環境への転職を希望しています。」
合わない人間がいる=環境改善、に置き換えた退職理由
「効率的に業務に専念出来る環境での勤務を希望しているからです。現職は個々の業務の進め方が統一してないため、業務が滞ることが多く、さらに部門間の風通しも悪く改善を提案しても実現できません。
効率的に業務に専念出来る企業に貢献したいと考えています。」
体調を崩したことが退職理由の場合
体調不良で退職を考える(もしくは退職した)場合は、現在は問題ない、環境を変えれば問題ない、ということを選考で伝えなければいけません。長期の勤務が可能だと安心させるにはどうしたらいいかを考えた退職理由を準備することが必要です。
体調を崩したが環境が変われば問題ない、という退職理由例
「前職の勤務形態が不規則だったため、体調を崩し退職しました。前職は日勤夜勤が相互にあるシフトでした。慣れるように努力しましたがどうしても対応することができませんでした。
現在体調は回復しており、夜勤のない業務なら全く問題ありません。」
体調を崩したが現在は問題ない、という退職理由例
「前職は交通事故に合い長期の入院が必要だったためやむを得ず退職しました。しかし現在は体調には全く問題ありませんので以前と同様に勤務することができます。」
まとめ
転職活動で選考を有利に進めるためには、退職理由が
- 「前向きな理由であること」
- 「改善するため努力したが変わらなかったこと」
- 「悪口にならないこと」
でなければいけないということを意識して退職理由を考えることが必要です。
あとはいくらネガティブな理由でも嘘をつかず本当の退職理由を伝えるようにしてください。人事は採用のプロなので嘘は見抜かれますし、例え見抜かれなかったとしても入社後に嘘が発覚すると問題になりますしお互い不幸になります。
どの様に転職理由を伝えるかは転職エージェントに相談するのも効果的な手段です。