薬剤師はいつ転職するのがベストなのか?時期や年齢、最適なタイミングを徹底解説

薬剤師はいつ転職するのがベストなのか?時期や年齢、最適なタイミングを徹底解説

薬剤師が転職を考えた時に「いつ転職すればよいのか?」と悩む方は多いでしょう。

  • 一年のうちいつ行うのがよいのか?
  • いつから転職活動を始めればいいのか?
  • 何歳で転職するのがベストなのか?

・・等々。好条件でスムーズな転職を目指す方のために、転職活動に最適な時期や転職活動に必要な時間などを解説します。

薬剤師が転職に成功しやすい時期はいつ?

薬剤師が希望の職場に転職するために最適な転職活動時期は「求人数が多い時期」と言えます。
求人数が多ければ希望の案件がある可能性が高いからです。

さらに、求人が多い時期は「多くの退職者が出る(出た時期)」でもあります。欠員がでるので募集を行うからです。転職先を探す場合には薬剤師転職サイトや転職エージェントを利用する方法が最も確実で安心と言えます。

一年のうち最適な転職活動の時期、つまり多く求人が出る(=退職者が多い)時期と理由を解説します。

1月~3月の間

日本では4月~3月に年度を設定している医療機関や企業が多く、この時期は年度が替わるタイミングです。理由は様々ですが節目の3月に退職を希望する人は多いため欠員がでます。そのため数多くの調剤薬局やドラッグストア、医療機関、企業などで募集が行われます。

6月~7月の間

6月、7月は一般的に夏の賞与の支給時期です。賞与が支給されてから退職をされる人は多く、そういった人は賞与前に退職の意を表明しますので、賞与の支給月の前後には募集が増える傾向にあります。

11月~12月の間

12月は冬季賞与が支給されるタイミングですので、「賞与を貰ってから年末退職」を希望する人、さらに年が変わるタイミングで転職を希望する人が退職の意思表示を行うため、この時期にも求人が増加します。

薬剤師が希望の転職を実現しやすい年代やタイミングとは?

薬剤師が転職するための一年のうち最適な時期を解説しました。次に「薬剤師のキャリア」という観点で、転職しやすい時期やタイミングを紹介します。

2年~5年の実務経験を積んだ薬剤師

実務経験2年~5年のキャリアの薬剤師は、もっとも転職しやすくしかも希望の職場から採用される可能性が高い年代です。この年代は実務経験がある上に体力もあります。また、前職の「色」や「癖」が付いていないため新しい環境でも短期間で活躍できる可能性が高いからです。

雇用する側は経験豊富だけど年齢を重ねた方よりも、ある程度実務経験を持った若い方を重宝します。また、この年代であれば未経験業界(調剤→企業など)へのチャレンジできます。新たなキャリアを積みたい方でも希望の転職を実現できる可能性は高いでしょう。

注意していただきたいのは、転職は若いほうが有利ではあるものの1年目の方は有利にならないこともあります。よほどの理由がない限り、「こらえ性がない」などネガティブな印象を受け選考に不利になる可能性があるからです。

生活環境が変わる時

女性の薬剤師であれば結婚や出産、育児などのライフイベントで生活環境が変わることがあります。生活環境が勤務中の職場の環境と合わないのであれば転職の正当な理由となり、退職する側も選考する側も納得がいきます。転職のいいタイミングかもしれません。

薬剤師の転職活動にはどのぐらい時間が必要なのか?

転職を希望してもすぐに転職先が決まりません。さらに転職が決まっても今日退職して明日から新しい職場に、ということは現実的ではありません。転職活動を開始してから新しい職場に入るまでに必要な期間を説明します。

薬剤師の平均的な転職活動期間

まず転職活動の期間です。基本的に応募から内定まで1~2ヶ月が必要になります。中途選考の流れは、書類選考→面接2回から3回→内定通知→受諾して決定、となります。この一つ一つのプロセスの間で選考の検討や日程の調整などが行われるため、3日から1週間の時間が経過します。

面接もお互いの希望するスケジュール通りでスムーズに設定できるわけではありません。応募から内定まで最低でも1ヶ月は時間がかかるということはご理解いただけるでしょう。

さらに、複数案件応募することを考慮するとさらに時間がかかります。納得のいく転職活動を行うためには3か月程度の期間を考えた方がいいかもしれません。

退職するまでの期間

退職の意を表明してから退職までの期間も最低1ヶ月は必要となります。さらに、職場の退職規定や慣習によってはその期間が前後することになるでしょう。退職に関する期間に関して、法律では「退職の意を表明して2週間で退職することが可能」と認められています。

しかしいくら法律で定められていてもお世話になった職場に迷惑をかけずに去ることは社会人としての常識です。

反面、薬剤師は人手不足のため退職の意を表明しても「次の方が決まるまで辞めないでほしい」と引き留められる、また、退職日をかなり先(3か月後や半年など)にして欲しい、とお願いされる可能性もあります。こういった場合は、きっぱりと希望日に退職する旨を宣言し、強い意思で交渉してください。

希望するタイミングで転職したい薬剤師の注意点

希望する時期に転職したい、とお考えの薬剤師は多いでしょう。実現するために注意しなければいけない点があります。

退職してから転職活動を行うことは出来る限り避ける

まず、仕方がない理由が無い限り退職して転職活動を行うことは避けてください。退職して次の職場が決まらなければ収入がなくなります。すぐに次の職場が決定すれば問題ありませんが、もし離職期間が長引くと焦ってしまい希望しない職場に決めてしまい後悔する可能性があります。

また、離職期間が長引くとその分実務から離れます。離職期間はブランクとなりキャリアに傷がつきますので選考に不利になります。

結婚、出産を控えた人は希望の転職を実現することが難しい

「ライフイベントに伴う生活環境の変化は転職のタイミング」と説明したので矛盾するかと思われる方もいるかもしれません。補足説明すると、「女性ならではのライフイベントをきっかけに転職するのは「そのライフイベントを終えた後に」行ってください。

採用する側の心理として、近い将来に長期休暇や休職を取得する可能性が高い方と、そうでない方を比較した場合、どちらの採用を希望するかはご理解いただけるでしょう。

薬剤師が希望の時期に転職するための方法

薬剤師が希望の時期に退職するためにはどうすればよいのか、その具体的な方法を紹介します。

辞めることを決めてからスケジュールを組む

まずは、転職したいと決めてから現在の求人状況や現職の退職期間を考慮してから希望の退職日を定めることです。転職活動において、スケジュールは重要ではあるものの、希望に合致する案件があるかどうか、例え案件があっても退職がスムーズに行えるかどうかの方が重要です。

「この日に退職したい」という気持ちが先行し転職活動を行うと、他の面で妥協して転職先を決定することになってしまいます。早く転職したいという気持ちは理解できますが、他の希望を妥協しないようにしましょう。

転職エージェントを利用して調整してもらう

転職エージェントを利用して転職活動を行うのであればエージェントに調整を依頼することも有効な方法です。転職希望時期をエージェントのキャリアコンサルタントに伝えれば希望に合致した案件の紹介を受けることもできますし、選考が進めば採用する側とスケジュールの交渉をしてもらえます。

100%希望が叶うとは言えませんが、納得して転職することができるでしょう。

薬剤師がすぐに転職しないほうがいい3つのケース

転職したい!という気持ちが高まると、すぐにでも行動を起こしたくなるものです。しかし状況によっては一度立ち止まってよく考えた方が良い場合があります。一時的な感情で行動して後悔しないために、すぐに転職しない方が良い状況について取り上げます。

ケース①繁忙期(忙しい時期)の転職

転職というのは自分の意志だけで成功できるものではありません。これまで自分がしていた仕事を引き継ぐための時間と人材が必要になります。風邪や花粉症、インフルエンザ等が流行る時期には日々の仕事に追われて引き継ぎどころではなくなります。

シフト管理を行っている上司の立場になって考えてみると、できるだけ迷惑をかけないタイミングで転職をしたいと思うはずです。円満な退職を目指すなら、繁忙期に転職することは避けましょう。

ケース②就職してから半年程度での転職

短期間で転職をすると、次のステップに進むのが難しくなる可能性が高いです。転職活動をしていても書類選考の時点でマイナスイメージを与えてしまいかねないからです。たとえ面接に進めたとしても、志望動機や本人のやる気よりも「なぜ半年で転職を考えているのか?」という点に注目されてしまうでしょう。

ケース③相談次第で解決または改善が可能な場合

職務内容や給与に不満がある場合、まずは上司に相談してみましょう。相談したからと言って必ずこちらの希望が通るわけではないものの、本人が納得できる待遇になるよう改善が図られる可能性があります。たとえば対人関係に問題を抱えている場合は、シフト管理を行っている担当者に相談することで解決できるかもしれません。

薬剤師はパート勤務の求人が見つからないって本当?

女性の薬剤師が転職を希望する理由の一つに、出産や育児のために働ける時間に制約があることが挙げられます。常勤で働きながら子育てを行う事には限界があるため、一時的に非常勤に切り替えて働くことを考えている方は少なくありません。薬剤師がパートで働くのは厳しいのでしょうか?

令和3年度の調査によると、薬局・病院別に見る薬剤師の就業形態について以下の調査報告が出されています。

”女性は 30 代後半から 60 代にかけて薬局・病院とも非常勤の割合が、男性と比較して
10 ポイント以上高い。また、女性薬剤師のうち、薬局では 30 代から 50 代にかけての
非常勤の割合が 30.2%~54.2%であり、病院の 6.9%~23.9%に対して高い。

引用元:001007759.pdf (mhlw.go.jp)

薬局では非常勤で勤務している女性薬剤師の割合がかなり高いという調査結果が出ています。パートタイムで働く事を検討している方は、病院ではなく薬局を中心に求人情報を見ると良いでしょう。

20代の薬剤師の転職市場における市場価値

新卒で勤務し数年が経つと、転職を希望する20代の薬剤師の方がいます。20代であれば初めて転職活動を行う方が多いでしょう。転職活動は新卒の就職活動とは違いますので同じ気持ちで活動を行っても成功しません。

そんな20代の薬剤師のために、失敗しない転職活動のノウハウやコツを伝授します。

転職市場の中でも「売り手市場」と言われている薬剤師ですが、現在の状況はどのような状況なのか、また、20代の薬剤師の転職市場における市場価値について解説します。

薬剤師の有効求人倍率

厚生労働省の統計結果では、令和5年度における「医師・歯科医師・獣医師・薬剤師」の有効求人倍率は1.91倍となっております。「有効求人倍率」とは、「求職者一人に対して求人案件が何件あるか」という比率です。この統計結果が薬剤師のみを対象としたものではありませんが、そう大きな差異があるとも思えません。

ですので、単純掲載で薬剤師一人に対して2件の募集があるのです。ちなみに、H18年の有効求人倍率は7.28倍でした。見方によっては一時期に比べてニーズが低下しているように見受けられますが、令和5年度における「一般事務」の求人倍率が0.34倍、「情報処理・通信技術者」の求人倍率が0.75倍であることを考えると、薬剤師のニーズは高いということができます。

001547094.pdf (mhlw.go.jp)職業別有効求人倍率(令和5年7月)

※https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11600000-Shokugyouanteikyoku/0000066750.pdf
平成25年と18年の有効求人倍率 厚生労働省

なぜ20代の薬剤師の人気が高いのか?

転職市場の中で人気のある薬剤師ですが、その中での20代の薬剤師に対する人気はさらに高くなります。

理由は、

  • 「若いのでポテンシャルがある(気力、体力共に充実している、若いので柔軟性がある)」
  • 「色に染まっていない(前職の「くせ」があまりついてないので雇用する側は使いやすい)」
  • 「給与が安いので採用しやすい」

といった点となります。

20代の薬剤師が転職を考える理由

次に薬剤師がなぜ転職を考えるのか?代表的な転職理由を紹介します。

職場の人間関係に不満があるため

薬剤師の転職理由に、人間関係を挙げる方は多いです。例えば調剤薬局や病院の薬剤師は、限られた空間で限られた人間との関りの中で業務を行います。その中でどうしても合わない上司や同僚がいると仕事に対するモチベーションを上げることが難しいでしょう。

給与アップを希望して

薬剤師は事務職などと比較すると高い給与が支給されている職種です。ただ、評価に差がつきにくい職種でもあり、大幅に昇給することが難しい職場(調剤薬局など)もあります。スキルやキャリアを身に付けても給与に反映されることがなければ、転職を考えてしまうのも頷けます。

スキルアップを希望して

あらゆる職種に共通していますが、新しいことにチャレンジしていかなければ成長しませんしスキルアップも望めません。薬剤師も同様です。教育や研修制度がない、新規設備の導入がない職場で勤務している薬剤師は将来に不安を感じ、充実した環境を求め転職を考えます。

キャリアチェンジを希望して

新卒の時に不本意な就職をしてしまった方が希望の業界にチャレンジするために、また、別の業界に興味を持ちチャレンジしたいという、いわゆるキャリアチェンジを希望した転職理由です。例えば、調剤薬局から病院や企業への転身といったパターンです。

20代の薬剤師が転職を考える際の注意点

20代の薬剤師が理想の転職を、また納得のいく転職を実現するために、考えなければいけないポイントを紹介します。

転職活動は慎重に行う

転職する機会はそうそうありませんし気軽に行えません。後悔しないように転職活動は慎重に行ってください。そのためには、「転職するからには今以上(もしくは前職以上)の職場に移らないと転職の意味はない」と常に考えながら活動を行ってください。

現職に不満があって転職活動を行うと、とりあえず環境を変えたいからとすぐに転職先を決定してしまうかもしれません。しかし現実逃避のために転職してもしばらくすると前職と同じような想いを抱く可能性が高いでしょう。その時に後悔しても遅いのです、

長続きしないと思われないように

採用する側の大きな選考ポイントとして、「採用した人が長期に渡って活躍していただけるか」(すなわち定着性)があります。定着性は「転職理由」で判断します。

面接で、職場の不満を前面に出す方は「どこに行っても文句を言う方」という印象を面接官に与え、長続きしないという感想を持たれます。

転職理由や希望は明確にする

転職の希望は明確でないと失敗する可能性が高い、とお考え下さい。

例えばキャリアアップを希望し転職活動を開始したものの、高い金額の給与提示の案件に関心を持ち結果的に採用された、という方がいたとします。前職より給与が上がったので転職してしばらくは満足かもしれませんが、当初の目的とは異なる転職です。しばらくすると同じ理由で転職活動を再開するでしょう。

20代の薬剤師が転職を成功させるための方法

次に、20代の薬剤師が転職を成功に導く具体的な方法を紹介します。

情報源は幅広く持つ

限られた情報を元に転職活動をするよりも、幅広い情報を仕入れたほうが選択肢が広がることはご理解いただけるでしょう。現在情報収集の方法は多岐に渡ります。様々な情報源から積極的に情報取集してください。

選考の対策は万全にする

薬剤師は資格を取得していることと経験さえあれば転職できると思われている方は多いかもしれません。しかし薬剤師といえどもコミュニケーション力や社会人としてのマナーは重要な選考ポイントであり、そのことが原因で選考が見送りになることもあるのです。

ヒューマンスキルの改善は難しいと思われるかもしれませんが、面接の準備を行うだけで大きく結果は変わります。転職を成功させるために選考の対策は必須です。

書面で確認する

案件の案内をされたとき、また内定が出た際、仕事内容や待遇に関する情報は書面で確認してください。口頭での説明だけで判断すると、もし勤務開始後に「聞いていた話と仕事内容が違う、条件面が違う」と感じたとしてもそのことを証明することができません。安心して転職するためにも書面は必須です。

おすすめの転職エージェント

転職活動の有効な手段である転職エージェント。20代の薬剤師でも転職を成功させる必須ツールとして登録をおすすめします。代表的な転職エージェントを紹介しますので参考にしてください。もし登録する際には複数のエージェントに登録してください。選択肢が広がります。

リクナビ薬剤師

https://rikunabi-yakuzaishi.jp

リクナビ薬剤師は、あらゆる転職情報の提供を行いさらに最大の人材紹介会社を持つリクルートグループの薬剤師専門の転職エージェントです。豊富な転職ノウハウ、コンサルタントによる手厚いサポートを受けることが出来ますので、初めての転職でも安心して活動を行うことができます。

マイナビ薬剤師

https://pharma.mynavi.jp

マイナビ薬剤師は大手の就職情報サービス企業、マイナビが運営している薬剤師のための転職エージェントです。特徴は圧倒的な求人案件数と全国にネットワークを持っていることです。案件数が非常に多いため、希望に近い案件を見つける可能性が高いでしょう。

薬キャリAGENT

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薬キャリは医療情報サービスを提供しているエムスリーのグループ企業が運営している転職エージェントです。エムスリーは医療従事者から高い信頼を得ている企業です。医療機関やメディカル系企業は安心して求人依頼を行います。結果的に良質な案件が集まっています。

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まとめ

転職するからには希望の時期に転職したいものです。しかし転職市場のトレンドは変化するし人によって目的も志向も勤務環境も異なるので「最適なタイミング」は人それぞれです。

結局、転職のベストタイミングは「転職しよう」と決意し、計画を立て、納得のいく転職活動を行った上で希望の職場への転職が成功した時かもしれません。

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